最近冷蔵庫を買い替えた。
瞬冷凍という機能がついていて、食べ物の組織を壊さず、冷凍に適さない食材についても冷凍可能にする機能らしい。
どういう機能か調べていたらこんなコラムを発見した。
・そこが知りたい家電の新技術 三菱電機 『「瞬」冷凍』
http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/column/2007/12/06/1577.htmlこのコラムを読んでいると、過冷却という現象を利用して実現した機能ということがわかる。
過冷却自体はかなり前から知られていた現象だったらしいが、それを家庭用冷蔵庫に適用するのは無理だと思われていたそうだ。
しかしよくよく考えてみると無理ということはなく、既存の技術で十分対応可能だということがわかった。
このコラムには、そもそも「凍る」とはどういうことなのかを考えた結果ということが書いてあった。
この瞬冷凍の話に出てくる氷核のように、なにか核となるものがあって初めてゼロベースでの考えというのが生きてくる。
ここでは「凍る」という現象を核として一から考えなおした結果、家庭用冷蔵庫に過冷却を利用した冷凍保存の機能を実現した。
よくゼロベースで考えろとか、既存の発想にとらわれるなとかいうが、そもそも何の拠り所もなくただ考えてみても、なかなかいい考えなんか浮かばない。ただの思いつきで終わってしまう。
また、無理だ、不可能だ、と言われているところにこそチャンスがあり、チャンスをモノにするには普通の人が諦めるポイントよりはるか先まで食らいついていかなければいけないのだろう。
本質に立ち返り、既存の概念にとらわれず考えるという点では以前読んだ本と同じ事を言っていると思った。
この本では、モノではなくそのモノが実現している機能に着目して製品やサービスを開発したり改善したりすることについて書いてあった。
印象的だったのは、点字ブロックの話。
よく見る点字ブロックは正方形のブロックの繋がりでカクカクしている。
点字ブロックは盲目の人が歩きやすいようにするためにある。
その機能に着目した場合、このカクカクした並びは本当にいいのだろうか?というのがこの本の主張だ。
本来であれば曲がるときは滑らかにするべきなのではないかということだ。
この話の難しい所は、盲目の人が「点字ブロックはカクカクしているもの」という先入観があった場合、緩やかに曲がっているとちょっと困るかもしれないという点だ。
ただ、方向性としては正しい。なめらかな方が当たり前の世の中にしていったほうがよりよい世の中になるのは間違いない。
こんな風に、より高い価値を生み出していけるような頭の使い方をしていくには、本質に立ち返ること、そしてしつこく考える事というのは本当に大事だと思う。